矯正治療は、矯正医一人でできるものではありません。
良い歯科医院を考えた場合、矯正医の治療技術は言うまでもないですが、治療を行う為の検査診断、患者様への説明、歯のお掃除、治療器具の滅菌業務など、沢山の事をスタッフが行なっています。
スタッフが気持ち良く働いてくれれば、矯正医も働き易く、患者様にも良い病院と思って頂けると考えています。
「プロジェクト・アリストテレス」
米グーグルが、2012年に着手した生産性向上計画、それが「プロジェクト・アリストテレス」です。歯科は医療であり、グーグルのような100パーセントのサービス業ではないので、参考にならないというご意見もあるでしょうが、私も含めてスタッフが100パーセントの能力を発揮する為には、とても重要と思います。
グーグルは、「チームワーク」を重視して分析を進めましたが、目立ったパターンを見つけることができませんでした。「社外でも友達同士」のようなチームでも、「仕事以外ではの他人」のようなチームでも、生産性の高いチームもあれば、そうでないチームもありました。私にとっては、残念な結果ですが、飲みにケーションは、関係ないそうです。
次に、チームの中にある「規範」に着目しました。しかし、仕事中に雑談するようなチームでも、私語は厳禁というチームでも、生産性に関して関係ないそうです。
では、高いパフォーマンスをあげる優秀なチームに必要なの事は、「チームがどのように協力しているか」だそうです。
成功するチームスタッフに存在するポイントは、次の5つと「プロジェクト・アリストテレス」は結論付けています。
① 心理的安全性 – ミスをしても、責められません。
矯正治療は、医療行為なので、ミスは許されません。ただ、診療行為のミスは、診療前の準備不足により起こる事がほとんどです。また、診療以外にも、たくさんの仕事があります。スタッフが、ミスを責められるので言われた事しかしなければ、良い診療行為はできません。
② 信頼性 – 何かしようとするとき、それを受け入れてくれます。
スタッフを信頼してなければ、矯正医は、診療に集中できません。
それは、歯科衛生士同士でも同様です。
③ 構造と透明性 – 効果的な意思決定プロセスがあります。
矯正治療では、診断、治療計画、治療内容を矯正医のみが把握していても、患者様に良い治療ができません。スタッフ全員がわかるように、カルテ記入、写真・レントゲン整理を行い、患者様の治療にあたる事により、スタッフも矯正治療という仕事を楽しく感じ、患者様に良い治療ができます。
④ 意味 – チームの仕事は自分自身にとっても有益です。
仕事の意味は、個人的なものであり、それぞれが違うのです。給料、家族の為、チームの成功、各人のスキルアップなどさまざまです。お互いが仕事の意味が違う事や家庭の事情がある事を理解し助けあうように努めています。
⑤ インパクト・影響 – チームの仕事が組織の目標にどのように貢献しているかを理解しています。
当院の目標は、
① 患者様に矯正治療をして良かったと思って頂く事。
② スタッフが、今日も仕事に行きたいと思ってもらえる事。
③ 医院の医療器機と環境を、さらに充実する事
以上の3点です。
簡単に言い換えると、
以下のようなチームでは、生産性はあがらない、ということではないでしょうか!
❶ ミスをすると、責められる
❷ 問題や難しい提案を言えない
❸ 異なる意見が拒絶されてしまう
❹ リスクを取っても安全だと感じられない
❺ 他の人に助けを求められない
❻ 故意に努力を否定される
❼ 自分の才能が評価されない
❽ 家庭の事情を理解されない
❾ チームの目標がわからない
これらは、学校でも、仕事でも、家庭でも当てはまることだと思います。
良いチームワークで、良い治療を提供していきますので、南千住小児歯科矯正歯科を、今後ともよろしくお願い致します。